おいでおいで、ホラーファンの諸君!今日は俺、闇夜の案内人ルクスが手ぐすね引いて待っていた映画、『ミスト』を語らせてもらう。いやあ、これほど気まずい映画も珍しいよな。といっても、気まずいってのは良い意味でね。観た後の「どうすればよかったんだ?」って頭を抱えたくなる感覚。あの虚無感。ホラー映画において、こんなに後味の悪い映画は滅多にないんじゃないか?そう思わせるくらいの逸品だ。
映画ミスト: 気まずい
物語のざっくり概要
スティーヴン・キング原作のこの映画、舞台は静かな田舎町だ。ある日突然、町を覆う濃霧が襲来するんだが、この霧、ただの水蒸気じゃない。霧の中には未知のクリーチャーたちが潜んでいて、そいつらが町の人々を次々に襲う。主人公デヴィッド(トーマス・ジェーン)を中心に、スーパーに避難した人々がこの恐怖にどう対処するかを描いたストーリーだ。
さて、ホラー映画の良し悪しってのは、ただビジュアルの恐怖だけじゃ決まらない。真の恐怖は登場人物たちの心理状態、追い詰められていく心の揺れ動きだ。『ミスト』は、この点で非常に優れている。スーパーの中の閉鎖空間、見えない敵、そして人間同士の対立。これが実に絶妙に描かれているんだ。しかも、このスーパーの閉鎖空間がね、「あ、これ絶対ヤバいことになるな」って雰囲気を醸し出してるのがまた良いんだ。
心理的恐怖とスーパーのサバイバルゲーム
この映画で特に気まずいのは、登場人物たちの「心理的な崩壊」だ。クリーチャーが怖いのは言うまでもないけど、人間の恐怖心が極限に達すると、信じられないことが起きる。特にミセス・カーモディってキャラが出てくるんだが、彼女は宗教狂信者で、霧を「神の裁き」と解釈し始める。そして、この手のキャラはだいたい映画の中では”厄介”な存在になる。最初は狂ったおばさんに見えてたのが、次第にリーダーシップを握りだして、他の避難者たちを信者にしちゃうんだ。君ならこの状況でどうする?仲間が次々にカルトに引き込まれていく中で、自分一人理性を保つことができるか?
この展開、俺には懐かしい香りを感じたよ。ああ、『ウィッカーマン』を思い出したね。あの映画も「神の裁き」とか「生贄」とか、古典的な恐怖の要素が詰まっていたが、『ミスト』も同じだ。極限の状況下で、最も恐ろしいのは人間の心なんだって、見せつけられるわけだ。
ビジュアルと特殊効果について語らせてもらおう
さて、ビジュアルについて触れておかないとな。この映画、2007年製作なんだけど、CGの使い方が絶妙だ。霧の中からぬっと現れるクリーチャーたちは、視覚的にもなかなかインパクトがある。触手、巨大な昆虫、蜘蛛――おなじみのクリーチャーたちが次々と登場するんだけど、どれも異次元から来たって設定がちゃんと生きてるデザインなんだ。ここで、1979年の『エイリアン』を思い出してほしい。あの映画でも、クリーチャーの登場シーンはチラ見せの恐怖でじわじわと心を掴んできたが、『ミスト』も同じ戦略だ。見えない部分が多いからこそ、逆に怖い。君が霧の中を歩く時、「あの触手が出てくるかもしれない」って恐怖に苛まれるだろうよ。
ホラーのお約束…だけど安心感もあるシーン
そして、この映画、いわゆる「ホラー映画のお約束」も忘れていない。例えば、スーパーに閉じ込められている時、必ず「ああ、これは誰かが外に出て失敗する流れだな」と思うシーンがある。俺、昔はこういう展開にハラハラしたけど、今じゃ逆に「来た来た、これね、失敗するんだよね」と安心感すら覚えるよ。ホラー映画の醍醐味ってやつさ。君たちも、このお約束に安心して身を委ねてくれ。
最後に…霧の中で待っているものは
『ミスト』のラストは、ホラー映画の中でも最も悲劇的で、見終わった後、しばらく動けなくなること必至。デヴィッドが最後に下した決断、あれを観て「ひどい」と思わなかったやつがいたら、俺はそいつを尊敬するね。全てが無駄になった瞬間の絶望感――まさに「人生の教訓」だろう?このシーン、心理的にも視覚的にも強烈だ。もはや”救い”なんて単語が、この映画には存在しないんだよ。
そして、最後に一つ、君に教えておこう。『ミスト』の公開後、実際にアメリカの片田舎で「霧の中で何かに追われた」という目撃証言がいくつか報告されたんだ。それが都市伝説だろうと何だろうと、確かに霧というものが、我々の根源的な恐怖を呼び起こすのは間違いない。だから、今夜霧が立ちこめたら、君は少し気をつけた方がいいかもしれない。何かが、君をじっと見つめているかもしれないぞ…いや、まあ、気のせいだと思いたいけどな!
映画ミスト:ツッコミどころ
ツッコミどころを見逃すわけにはいかないってことで、ちょっとばかり辛口で行かせてもらうよ。これが名作なのは間違いないが、ツッコミどころだってしっかりある。だって、ホラー映画だぜ?突っ込んでなんぼだろう?まぁ、愛があるからこそのツッコミだから、そこはよろしく頼む!
1. まず最初に…スーパー、閉じこもりすぎじゃない?
さて、映画はスーパーに人々が避難するところから始まるが、いきなりのツッコミどころ。「いやいや、スーパーに閉じこもるのはいいけど、誰一人として『他の場所に避難する』ってアイデアは浮かばないのか?」って思ったね。そりゃ、外は濃霧だし、異次元のクリーチャーが徘徊してるのは怖い。わかるさ、でも、そこまでスーパーにこだわるか? 食糧がたっぷりあるからって、ここは耐久戦じゃないんだぞ。せめて誰か一人くらい「近くの警察署に行くか」って言ってほしかったな。まあ、ホラー映画のお決まりとして、逃げようとする奴は大抵やられる運命にあるんだが。
2. あの狂信者ミセス・カーモディ、いくらなんでも急展開すぎじゃない?
さて、スーパー内で一気に頭角を現す狂信者、ミセス・カーモディ。ここでツッコミたいのは、「おい、いつの間にそんな影響力を持ったんだ?」ってことだよ。最初はただの痛いおばさんにしか見えなかったのに、途中から急にカルトリーダーみたいになって、皆を掌握し始めるじゃないか。確かに、極限状態で人は狂うこともある。でも、スーパーの中の普通の住人たちが、あれほど速攻で彼女に乗っかるのはどうなの?ちょっと現実離れしてるなあ、と思ったけど…まあ、ホラー映画だから、そういう無理筋な展開も「あるある」だよな。「この展開、どっかで見たことあるな」と思ったやつ、正解だ。『ザ・フォッグ』でも似たような宗教パニックがあったな。
3. スーパーの電気、持ちすぎじゃね?
さあ、これは古典的なツッコミどころ。スーパーに閉じ込められた人たち、どう考えても数日は経ってるのに、電気が全く消えない!おいおい、電気って、そう簡単にずっとつきっぱなしでいられるもんじゃないだろう?特に、外の状況が異次元のクリーチャーに侵略されてるとなれば、どこかで停電とか起こってもおかしくないだろうに。それとも、このスーパーの発電機は異次元テクノロジーか?いや、「どうして誰も電気が消えることに不安を感じないんだ?」って思わずツッコんだよ。でもまあ、暗闇のスーパーってのも絵的にベタすぎるし、そこは目をつぶるとしても、ちょっと「持ちすぎだろう」って思わなかったか?
4. 触手のクリーチャー、なんであんなにスローなんだ?
さて、触手のクリーチャーがスーパーの倉庫で登場するあのシーン。覚えてるか?触手がゆっくりと青年を引きずり込んでいくんだが、俺は思わず「おい、もうちょっとスピード感出してくれよ」とツッコミたくなったね。あの触手、かなり危険なのはわかるけど、なんであんなにスローに引っ張っていくんだ?「見せ場を引き伸ばしている」感が否めないよな。「触手映画の先輩、1988年版『ザ・ブロブ』を見習え!」と言いたくなる。あっちの触手はスピーディーで恐怖感が倍増したぜ。それとも、異次元のクリーチャーは時間の概念が違うのか?とにかく、もう少しスピーディーにやってもらいたかった。
5. ラストの絶望的展開、いや、少しだけ待とうぜ?
これがこの映画最大のツッコミどころだろう。ラストシーンで、デヴィッドが最後の選択をする場面、これには賛否両論だ。だが、俺が一番言いたいのは、「おい、あと数分待とうぜ!」ってことだ。分かる、追い詰められて絶望的な状況だったのは理解するさ。でもさ、ちょっとだけでも外の様子を確認するとか、もう少し考える時間があったはずだろ?あの数分後に軍隊が現れるなんて、何とも皮肉な話だけど、「ホラー映画らしいなあ」とは思いつつも、「君たち、もう少しだけ落ち着こうよ」と心の中で叫んでしまったよ。
6. 車のガソリン、ギリギリすぎない?
おいおい、「ガソリン少なすぎだろう!」って思ったやつ、俺と同じだな。スーパーを脱出する時、車で逃げるんだけど、「何で最初から満タンにしておかない?」とツッコミたくなった。いや、分かるさ、ホラー映画では限界状況を作り出すために何かしら制約が必要なんだ。でも、あんな極限状態の中、ガソリンがもうちょっと残ってたら、助かったんじゃないか?しかも、ガソリンが切れるタイミングがあまりにも絶妙すぎて、まるで「脚本に合わせて消費されたんじゃないか?」って思うくらいだよ。
まとめ:ツッコミどころ満載の傑作ホラー
結局のところ、『ミスト』はツッコミどころ満載だけど、それもホラー映画の一部として楽しむべきポイントだ。これがなければ、ホラー映画ファンとしての醍醐味は半減する。ツッコミながらも、その世界観に浸り、恐怖におののくのがホラーの楽しみ方ってもんだろう?ラストの絶望的展開は、ツッコむ暇もないほどの衝撃を残してくれるし、観終わった後には「何を見てしまったんだ…」という感情が湧き上がるはずだ。まあ、ホラー映画には「完璧」なんて存在しないし、「ツッコミどころがあるからこそ愛せる」のがホラー映画なんだよな。
ミスト 映画 イライラ
映画ミスト:最悪
「最悪」というテーマでこの映画を語らせてもらおう。そう、『ミスト』はホラー映画の中でも際立って”最悪”な気分を味わわせてくれる一作だ。何が最悪って?そりゃあ、観終わった後の絶望感、胸にズシンとくる虚無感だよ。ホラー映画ファンの俺でも、これほど“救いようがない”と感じさせてくれる作品は少ない。さて、今回はそんな「最悪」なポイントを一つずつ掘り下げていこうじゃないか。
まず最初に触れておきたいのは、「絶望的な閉塞感」だ。君も知ってる通り、この映画の舞台はスーパーに閉じ込められた人々。外は霧で何も見えないし、霧の中には異次元のクリーチャーがうじゃうじゃ。もう、「どこにも逃げ場がない」ってのが分かりきってる状況なんだが、この閉塞感が本当に最悪なんだ。ホラー映画ってのは、登場人物が追い詰められるほど面白くなるんだけど、『ミスト』ではその”追い詰められ方”が徹底的。「おい、誰か冷静になって出口を探せよ!」と叫びたくなるが、見事に誰もそんなことをしない。
さらに最悪なのは、人々の対応の遅さだ。おいおい、スーパーに閉じ込められたんなら、さっさと防御策を講じるとか、逃げ道を確保するとか、何かしらやることあるだろう?それなのに、彼らはどうだ?「外は危険だから」っていう理由で全員でだらだらスーパーに籠城。そりゃあ、異次元のクリーチャーが怖いのは分かるさ。でも、だからってあそこまで無策で過ごしてどうするよ?君も観てて「何やってんだよ、早く動け!」って思ったはずだ。こういう無駄に引き延ばされる展開が、ホラー映画における”最悪の決断”を強調するよな。
『ミスト』は、君に”最悪”という感情をこれでもかというほど味わわせる作品だ。この映画を観終わった後の虚無感、胸にこびりつく絶望感は、君の心を掴んで離さないだろう。最悪すぎる結末こそが、この映画の真骨頂。君も、デヴィッドと同じように、「もう少し待てばよかった…」と思う時が、もしかしたら現実にも訪れるかもしれない。
おっと『ミスト』をまだ見てない人はここで見れるぞ!深夜に部屋の明かりを消して、背筋が凍る映画を探し求める参考にしてくれ!