2021年公開のホラー映画『マリグナント』。
観客を驚かせたのは、ジェームズ・ワン監督による独特の演出や、予想を裏切る展開だけではありません。
作品のラストシーンやエンドロール後に一瞬だけ映る”電球の点滅”に、多くのファンが釘付けになりました。
「ラストの電球には何の意味が?」「ガブリエルは本当に倒されたの?」「続編の伏線なのでは?」といった声がネット上でも多く見られます。
この記事では、『マリグナント』のラストシーン、エンドロール後の電球、そして謎の存在・ガブリエルを軸に、作品の深層に迫るとともに、続編の可能性についても丁寧に考察していきます。

ラストシーンの「電気がチカチカ」する演出は何を意味する?

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映画のラスト、マディソンはガブリエルを“閉じ込める”ことに成功したかに見えます。
心の底から解放感に包まれる瞬間でしたが、その直後、部屋の天井に取り付けられた電球が不自然にチカチカと点滅を始めます。
この演出、単なるホラー映画にありがちな怖がらせ要素だと思って見逃してしまう方もいるかもしれません。
しかし、実はこれは極めて重要な意味を持っています。
作中を通して何度も繰り返されてきた”電気の乱れ”は、ガブリエルが近くに現れる前兆でした。
電話機や照明が突然作動したり停止したりする現象は、ガブリエルの超常的な能力によるもの。
つまり、ラストで再び起こる電球の点滅は、“彼がまだそこにいる”ことを暗に示しているのです。
ガブリエルは表面上では封じられ、マディソンはついに主導権を取り戻したように見えました。
しかしこの光の瞬きが意味するのは、彼が完全に消え去ったわけではないという恐ろしい可能性です。
封じ込められた“何か”は、時が来ればまた姿を現すのかもしれません。
「マディソンは勝った。でも、まだ終わっていない。」それは観客にだけ伝えられる、静かで不気味な警告。
まるで心の中にそっと囁かれるような、含みのあるエンディングなのです。
エンドロール後の電球は見逃し注意!続編への伏線かも?

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エンドロールが流れた後、完全に映像が終わる直前に、観客の目にふと映る電球の点滅。
間にしてほんの数秒にも満たないほどの一瞬の演出ですが、この短い瞬間こそが、映画『マリグナント』の全体像に新たな意味を加える重要な手がかりとなっています。
何も知らずに見ていたら見逃してしまいそうなこの点滅に、ホラーファンや考察好きの観客は敏感に反応しました。
この電球の点滅が示すのは、単なる恐怖の演出ではありません。
それは、封じ込められたはずのガブリエルが、まだマディソンの中で何らかの形で生き続けているという示唆であり、再び姿を現す可能性を含んだサインなのです。
つまり、この演出は、物語が完全に終わっていないこと、そしてあの恐怖が再来する可能性を私たちに静かに語りかけているのです。
さらに、この点滅は単なる演出にとどまらず、製作陣から観客への“次の展開へのヒント”としての役割を担っているとも受け取れます。
「この物語にはまだ続きがあるかもしれない」「ガブリエルの物語はここで終わりではない」──そうした暗示を内包した、きわめて象徴的なシーンなのです。
このような形で“続編の可能性”をさりげなく、しかし明確に提示する手法は、ジェームズ・ワン監督らしい巧みな演出とも言えるでしょう。
ガブリエルの正体と能力を再確認

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ガブリエルはマディソンの“結合性双生児”という非常に稀な医学的現象によって生まれた存在で、マディソンの頭部の裏側に肉体の一部として共生していた特殊な存在でもありました。
生まれて間もなく、その異常性からガブリエルは“悪性腫瘍”のように扱われ、外科手術によって切除されたとされていました。
しかし、実際には完全に除去されたわけではなく、彼の脳の一部がマディソンの頭蓋内に残されていたのです。
そしてその痕跡は、彼女が成長するにつれて次第に覚醒し、自我を取り戻していったのでした。
ガブリエルの能力は単なる身体的な異常にとどまらず、彼は電磁波に干渉するという超常的な力を持っています。
これにより、照明器具を自在に操作したり、携帯電話やラジオなどの通信機器を通じて人々に語りかけることが可能となります。
この力は作中でも印象的に描かれており、ガブリエルが現れるシーンでは必ずといっていいほど照明がチカチカと不安定になるのです。
このように”電気”との密接なつながりは、映画のラストで登場する電球の点滅にも深く関係しています。
ただの演出ではなく、ガブリエルがまだ存在している、あるいは再び活動を始めようとしている兆候として、観客に強い印象を残す象徴的な表現となっているのです。
『マリグナント』に続編はある?ジェームズ・ワンの発言と今後の可能性

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公開当時、ジェームズ・ワン監督はさまざまなインタビューで「もし興味を持ってくれる人が多ければ、続編のアイデアはある」と語っていました。
その発言には、明確なプロットの構想こそ明かされなかったものの、『マリグナント』の物語が一作限りでは終わらない可能性があることが含まれていたと見ることができます。
実際、『マリグナント』は一般的な大衆映画とは異なるスタイルで一部の映画ファンから強く支持されており、特にホラーやカルト映画を愛する層にとっては、唯一無二の世界観が高く評価されているのです。
そのため、商業的な大ヒットには至らなかったとしても、カルト的な人気を持つ作品として静かに長く語り継がれており、SNSやファンコミュニティでは現在も考察や感想が絶えません。
とはいえ、現時点(2025年6月)では正式な続編の制作発表は行われていません。
しかし、映画のラストで描かれた電球の点滅という象徴的な演出、完全には説明されなかったガブリエルの起源や能力の全貌、そしてマディソンのその後の精神的な変化や可能性を考えると、続編が描かれる余地は十分にあると考えられます。
ジェームズ・ワン監督自身が可能性を否定していない以上、ファンとしては今後の展開を前向きに期待してよいのではないでしょうか。
ファンが注目した“ラストの電球”は何のメタファー?

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この電球の点滅には、単なるホラー演出以上の意味があります。
それは、マディソン自身の心の奥底に潜む“闇”や“トラウマ”が、完全には癒えていないという象徴でもあるかもしれません。
長年にわたって無意識の中に押し込められていた記憶や感情、それらが物語の中で一度表出されたとはいえ、すべてが完全に清算されたわけではないのです。
この一瞬の点滅は、マディソンの精神的な傷がいまだ癒えておらず、その深層心理における不安や恐怖がくすぶり続けていることを暗示しているとも受け取れます。
ガブリエルは倒されたけれど、彼女の中にはまだ“何か”が残っている。
その“何か”とは、ガブリエル自身の意識かもしれないし、彼の存在によって生まれたマディソン自身の新たな一面かもしれません。
彼女の中にある“闇”が再び形を持ち、より狡猾に、より見えにくい形で現れる可能性は否定できません。
もしかすると、次に彼が現れる時はもっと巧妙で、もっと恐ろしいかもしれない──そんな不穏な予感と、観客の想像力を刺激する余韻を残す演出が、ラストの電球なのです。
まとめ:『マリグナント』はまだ終わっていない──続編に期待!

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『マリグナント』のラストシーンとエンドロール後に見せた、電球の点滅。
この小さな演出が、多くのファンの心に引っかかり、物語がまだ終わっていないことを静かに訴えかけてきます。
一見すると何気ない演出に見えるかもしれませんが、作品全体を通して散りばめられていた“電気”というモチーフの集約ともいえるラストは、観客の記憶に強く刻まれる象徴的な瞬間です。
また、この点滅は単にガブリエルの存在を示すだけではなく、マディソン自身の精神状態、そして人間の内面に潜む制御不能な一面を暗示しているとも考えられます。
恐怖や苦しみを完全に封じ込めることはできず、いつか何らかの形で再び現れるという暗示。
それは人間の心の闇を描いたこの映画のテーマとも重なります。
ガブリエルという異質で強烈な存在、そして彼と一体であったマディソンの内面に潜む影。
それらが物語の中で“決着”したかに見えても、決してすべてが解決したわけではないという含みをもたせているのです。
完全に決着がついたとは言い切れない展開だからこそ、観客は続きを見たいと思うし、物語のその先を想像せずにはいられません。
だからこそ、続編への期待が高まるのは当然とも言えます。『マリグナント』は一つの終わりを迎えたように見えて、その実、次の始まりを予感させる巧妙な余韻を残していたのです。